前回のあらすじ
期待リターン!
こんにちは。かどいち@山奥エンジニアです。
前回の記事では、運用のシミュレーションなどで使われる
期待リターンについて、解説しました。
その中で、過去の株価チャートを使ったリターンの設定は
期間の取り方によって結果が全然違う
そこで、今回は、
エンジニアスキルを使って株価チャートのデータを少し加工し、
エンジニア独自の視点で、期待リターンを計算してみました。
こんな方にオススメできる記事となっています!
・期待リターンの意味は分ったけど、どうやって設定したらいいかわからない
・山奥エンジニア視点ってどんなものか気になる
・エンジニアスキルって何か気になる
ざっくり3行で説明すると、こんな内容になっています!
①そもそも期待リターンって何?
②エンジニア視点での期待リターンの算出法(←今回はこれ)
③リスクを加味したリターン振れ幅と学費のための投資戦略
ぜひ、見ていってくださいね!
目次
1.株価チャートをマクロで見る
ところで前回の記事、内容をまとめると、下記になります。
①ある期間での資産の増加量がリターン
②リターンを複利計算で年率に換算したものが年率リターン
③ただし、②は設定期間によって値が大きく変わるため、
そのまま期待リターンとして設定するのは問題あり。
次に、投資と投機について思い出してみます。
投資:長い時間売らずにもってじわじわ増やす
投機:短い時間で売ったり買ったりして大きく変動
我々が目指すのは「投資」でしたね。
そこで、1日、1週、1カ月単位の価格に惑わされることがないよう
マクロな視点で株価を見てみましょう
1-1 年間平均をとってグラフ化
まず、短期的な株価の増減に惑わされないよう、
年次ごとに株価の平均を取っていきます。
下のグラフのイメージです。
赤の点が、1年ごとの株価の平均値を示していて、
「その年の株価はだいたいこのくらいの位置にいたよ!」
ということを意味しています。
え?移動平均取ればいいのになんでそんなことするの?
って人は、すでにかなり詳しい知識をお持ちだよ!
移動平均でいいんだけど、こっちの方がわかりやすいと思ったんだよ!
今回はわかりやすさ重視とします!(重要)
だいたい同じ結果になるけど、知りたいって人はコメントもらえたら
別の記事に移動平均バージョンを書くよ!
12年分平均値をとると、こんなグラフになります。
ほぼまっすぐ右肩上がりで増加しているのがわかりますね!
さて、この点のデータたち、感覚的には右肩上がりなのですが、
もっと論理的に(だれがやっても同じ結果になるロジックで)
どのように変化しているか示す線を引くことができます
その線のことを「近似線」と言います。
1-2 近似直線を引く
次にグラフに近似線を引いてみましょう。こんな感じになります。
今回は「線形近似」による近似としました。
青点と点線のデータの距離が、最も近くなる直線を引く
というやり方です。
本当は「指数近似」をするべきなんですが、
期間が12年くらいだったら似たような結果になるので、
今回はわかりやすさ重視とします!(2回目)
ちなみにグラフに書いている「R2」ですが、
これはこの直線がどのくらい信用できるかを示す値で、決定係数と言います
「1」に近いほど信用できるので、
今回の近似直線はとっても信用できると言えます!
1-3 リターンの計算
次にこの直線の傾きを求めていきます。
中学校の時にやりましたね!1次関数です!
実はこんな感じで、
2つのデータの関係性を確認する場合にとっても便利なのです。
この場合、時間に対して株価の増加量(=年率リターン)がわかります。
もっとはよ言ってや!
という皆さん。わかります。
そんな皆さんのためにこのブログを書いているのです。
一次関数と相関については、別の記事で詳しく解説していきます!
お楽しみに!
さて本題に戻ると、先ほどの近似直線には近似式というものがあります
こんな感じです。
この「3.25x-6489.17」というのが近似式ですね!
そしてこの式のxに対して西暦を入れると、
その年のyの値(=株価)がわかります!
・2008年時点では$36.41
・2020年時点では$75.41
となります。
そしてこれを複利計算すると年率リターンは
6.3%となります
これに対して、投資信託で運用する際の
運用手数料を引いたものが実質リターンです。
優良投資信託の手数料:0.2%をここから引くと
6.1%となります!
このように考えると、期待リターン6.1%というのは
全然無理のない値だということがお分かりいただけるのではないでしょうか?
2.現実的な投資で考える
そもそも皆さん、今持っているお金をすべて投資!
なんてやり方で貯金しませんよね?
お給料だったりボーナスだったりをもらう度に
少しずつ積み立てていくはずです。
そしてこのようなやり方の場合、冒頭で書いた
「やらかしたパターン」のような運用成績になる可能性は
非常に低いと言えるでしょう。
こういったやり方を「ドルコスト平均法」と言います
これについては別の記事で解説しますね!
3.世界人口と株価の関係性
ところで、以前の記事で、
ということを書きました。
では、世界人口と株価の関係はどのようになっているのでしょうか?
こんな感じになっています。
、、、ほぼ一緒ですね。
これは、時間と世界人口に強い関係性があるためです。
株価に影響を与えるのは、「時間」なのか「人口なのか」
それはわかりませんが、
少なくともマクロで見た世界経済が成長していくことは
お分かりいただけたのではないでしょうか。
4.まとめ
今回の記事をまとめると、こんな感じになります
①全世界株式の株価をマクロで見て近似直線を引く
②近似直線の傾きから年率リターンを求めると実質6.1%
③現実的な投資でかんがえると、やらかすパターンにはなりにくい
今回の記事では、エンジニア視点での期待リターン計算法をお伝えしました。
また、6.1%という期待リターンが、
決して無理な値ではないということもお分かりいただけたかと思います。
記事の中にはところどころ突っ込みどころもあると思いますが、
今回はわかりやすさを重視しておりますのでご容赦を!
ただし、期待リターンはあくまで「期待値」になります。
ここに対してリスクを考慮せず投資を行うのは危険です。
そこで、次回の記事では「リスクの考え方と投資戦略」について
解説していこうと思います。お楽しみに!
※投資をする際は必ず自分で考えて判断してください。
自分の資産を増やせるのも守れるのも、
世界にただ一人、あなただけです。
ツイッターやってます。
僕らの仕事に興味がある方、質問ある方、お気軽にご連絡ください!
フォローしてもらえると上司に怒られてヘコんだ日にも頑張れます。
きはち@山奥エンジニア
Follow @kihachi_yamaoku
Instagram:kihachi_yamaoku