海外赴任は激務!?駐在員のリアルな残業時間!長時間労働の原因と対策も | 山奥エンジニアの お金と海外とデータ分析
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海外赴任は激務!?駐在員のリアルな残業時間!長時間労働の原因と対策も

質問者

海外赴任してみたいけど、激務って話も聞くし心配….
残業時間ってどのくらいなんだろう?

この記事は、そんな人の疑問に答える内容になっています。

ドイツ駐在員のかどいちです。こんにちは。

海外赴任は待遇が良くなるけど激務…それって本当でしょうか?

今回の記事では、海外駐在員である僕のリアルな残業時間を、具体的な数字を添えてご紹介したいと思います。

確かに海外赴任中は残業が増えがちです。残業代も出ない場合がほとんど。
でもしっかりと原因を見極め、対策を打って行けば、長時間労働を防げるかもしれません。

・将来海外赴任してみたい
・海外赴任の打診があったけど心配…
・海外赴任中だけど残業ばかりで辛い…

こんな人達のお役に立てる内容だと思います。

ぜひ読んでみてください!!



海外駐在員のリアルな残業時間

では早速、僕の月当たりの残業時間をご紹介しようと思います。

残業時間はズバリ!

30時間~40時間/月

程度となっていました。

算出根拠や詳細を説明していきます!

一日の労働時間は9~12時間程度

残業時間の算出前提ですが、下記の概要です。

・1日あたり8時間を超えた分を残業
・休憩は1時間/日でカウント

そして、僕の1日あたりの労働時間ですが、こんな感じです。

普通の日

出勤  |7:00
退勤  |17:00
労働時間|9.0時間
(残業時間1.0時間)

忙しい日

出勤  |6:30
退勤  |19:00
労働時間|12.5時間
(残業時間4.5時間)

このくらいのレンジで日々働いて、平均すると月30~40時間くらい(1日あたり1.5~2.0時間くらい)の残業時間になるわけです。

朝が早ぇ!って思うかもしれませんが、ドイツ人のワークスタイルが影響してます。

彼らは朝6:00から働きはじめ、15:00頃に退社という感じ。
なので、それに合わせて僕も早めに出社しているのです。

後々書きますが、出来るだけ現地社員と会話して、色々なことを任せた方が結果的に残業が減ります。僕なりの工夫ですね。

駐在前後で残業時間を比較

駐在前後で残業時間を比較するとこんな感じです。

駐在前|20~30時間/月

駐在後|30~40時間/月

駐在後の方が残業時間は増えていますが、そこまで激務って感じでもないですね。

待遇面の良さを考えると、まぁこのくらいは許容範囲って感じです。

海外駐在で給料はいくら上がるの? 30代メーカー勤務駐在員のお金事情




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残業代は出るの?駐在員の労働時間管理

さて、残業は多少なりとも増えるにして、残業代は出るのでしょうか?

先に結論を言うと

残業代は出ません

なんで!納得いかない!
って人も多いと思うので、詳細を説明していきます。

労働基準法は適用されない

初めに悲しいお知らせがあります。

海外駐在員に労働基準法は適用されません

以下、厚生労働省のページに記載の文章です。

労働基準法は国家公務員等の一部を除いて、日本国内のすべての労働者に原則適用されます。

出展:厚生労働省ホームページ


”日本国内すべての”という事は、”日本国外”には適用されないんですねぇ。

ドイツ駐在員

ヤバイじゃん!
ブラック企業まっしぐらじゃん!


そんなご意見はごもっともですが、まぁまぁ落ち着きましょう。

海外駐在員には、赴任先の国のルールが適用されます。

奴隷ってわけでもないのでご安心を。ひとまず次へ進みます。

残業代は出ない

現地のルールが適用される。
一言で言うと簡単ですが、今時のグローバル企業は複数の国へ拠点を持っています。

A国では残業代として30%割り増し
D国では残業代として50%割り増し

そんな風に各国個別に管理していては大変ですし、不公平感もあって面倒です。

そこで、海外駐在員は一般的に

管理職扱いで年俸制

現地の物価に合わせたインセンティブを付けた上で一括管理されます。

つまり、残業代出ません。悲しい!

まぁでも、その分給料は上がるし待遇は改善するしで
貯金は貯まる!なんてことも多いんですけどね。

海外赴任すると貯金が貯まる? 現役駐在員が赴任後の貯金額をまとめてみた

現地のルールに従うが…

海外駐在員の労働環境は現地のルールに従って保護される、と言ったな。
すまん、あれは嘘だ。

いや、嘘ってわけでもないんですが、実際の労働環境は

現地拠点の主幹者しだい

ってのが正直なところだと思います。
※主幹者|拠点で一番偉い人。子会社の社長とか

現地がどんな状況か、日本から見えにくいこともあって、長時間労働が常態化している拠点もしばしば。

なぜ駐在員の残業時間は増えがちなのでしょうか?
どのように立ち回れば長時間労働を回避できるのでしょう?

ここからは、残業時間が増える原因と対策について書いていこうと思います。

駐在員の残業が増える原因

ここからは海外駐在員の仕事の難しさをご紹介するとともに、残業が増える理由・その構造について説明していこうと思います。

残業が増える原因を明確にしていけば、対策を立てやすくなるはずです。

コミュニケーションが難しい

まず、仕事に時間がかかる原因の一つに

現地社員とのコミュニケーションが難しい

というのがあります。

日本語が通じないのはもちろんですが、ほかにも

・文化や常識が違うので、相手の主張に戸惑う
・会社のルールが違うので、細かく聞かないとわからない
・情報の真偽を確かめるために、何人かに同じことを聞く必要がある

等々、日本だったら5分で済む会話が、1時間かかる…なんてことも珍しくありません。

さらに、先進国の人々は基本的に言う事を聞いてくれません。

一つ何かを支持するにも、根気よく説得して納得させる必要があります。

このように、情報収集や指示に一々時間がかかるため、労働時間ばかりが増加していくのです。

日本との板挟みで増える仕事

日本と現地の板挟みも、時間を浪費する要因になります。

典型的な構図が

現場を知らない日本人の的外れな指摘 VS 現地人のごもっともな意見

例えばこんな感じです。

・本社の日本人から的外れな指示
・ドイツ人に真っ当に断られる
・なんとかやって貰うために説得
・時には自分でやる

日本人

よくわからない。教えてください。
ダメです。それでは不十分だ

かどいち

間に挟まれるぼく

ドイツ人

それ調べて何になるの?
かける時間と効果のバランスが悪いよ

でも、結局は元の指示が的外れ。
時間だけ使って価値を生まない結果なることも多いです。

こんなことが頻繁に起こるので、時間ばかり浪費して労働時間が増加していくのです。

何でもやらなきゃいけない

海外駐在員の数は限られています。
一方で海外拠点には、”日本人の仕事”というのが少なからず存在します。

例えば

・日本と現地の仲介
・日本の規制に沿った現地の管理
・駐在拠点のトラブル解決
・本社への各種報告

こういった仕事は部署を問わず発生します。
それに伴って部署に関係ない仕事までこなさなければいけません。

また、責任のある立場なので、最後までやりきらなくてはいけないのです。

そんな一方、現地社員は

仕事が残ってても帰ります

かどいち

現地社員に頼んでる仕事…明日が納期だけど終わってない!
彼はどうしたの?え!?帰った!?


こんなことが日常茶飯事です。
尚、仕事は自分で定時後にやることになります。

そういうわけで、自分でやらないといけない仕事が増え、労働時間を圧迫していくのです。

残業を減らすための対策

ここまで残業が増える理由を色々とご紹介しました。

実際、海外駐在員は長時間労働になりがちで、僕も赴任3カ月までくらいは60時間くらい残業することもありました。

だからと言って、はいそうですかと諦めたくはありませんよね。

かどいち

何としてでも定時で帰りたい。そしてゆっくり過ごしたい!

このように考えた僕は、なんとか残業時間を減らせないかと様々な工夫をしました。

ここからは僕が実践して効果があった、残業時間削減のための対策やポイントをご紹介していきます。

明日できることは今日やらない

何よりのポイントは、明日できることを今日やらないという事です。

明日やろうはバカ野郎みたいな格言もありますが、残業を減らすという観点で見ると、僕は反対です。

なぜなら、

やならくて良くなる可能性があるから

手の空いた誰かがやってくれたり、そもそも状況が変わって必要なくなったり。
結局やらなくてよかった!となることが多いのです。

特に後回しにしたいのがこれらの事。

・目的が分からない質問への回答
・納期が決まっていない仕事
・みんな忘れていそうな雑務

これらは全部後回しでOK。
”やらなくても一緒”と確信した仕事はどんどん後回しにしましょう。

「そういえばかどいち君、あれどうなった?」と聞かれたら、こう答えれば大丈夫。

かどいち

あ、すみません忘れてました。今日やっときます。

ただ、2回目の「忘れてた」は信頼を失う可能性があります。
トレースを受けた場合すぐにやった方が良いでしょう。

ちなみにトレースを受ける仕事|受けない仕事の比率は1:5くらいです。
そもそも忘れ去られる仕事の方が圧倒的に多い。

ちなみに僕はこれで怒られたことはありません。あんまし重要じゃないんだろうなと思っています。
そんな仕事に時間を割くのは勿体ないですよね。

※ただし、これは社内の信頼がある程度得られている前提です。
 赴任初期から実行するのはお勧めできません。
 他人の信頼を得るためには、聞かれる前にやるのが重要。

時間を初期投資として使う

効率化に必要な時間はどんどん使いましょう。
未来の残業を減らすためなら、今日残業しても構いません。

例えば

ルーチン作業の自動化
・現地語の習得
・英語や異文化の勉強

これらは残業時間削減に絶大な効果を発揮します。

・ルーチン作業の自動化

Excelの関数やVBAを勉強しながらやれば、驚くほど時間短縮ができます。

初めは時間がかかるかもしれませんが、自動化を続けると知識やスキルも積みあがっていきます。
どんどん仕事の効率化が進み、労働時間を短縮できるでしょう。

現地語の習得

現地社員とのコミュニケーションが円滑になるのはもちろんですが
こちらから歩み寄る姿勢をとることで信頼関係も築けます。

メールなどはできるだけ現地語で書き、添削してもらいましょう。
現地社員も喜んでやってくれるはずです。

・英語や異文化の勉強

時にはメリハリをつけることも重要。

早く帰ると決めた日は可能な限り仕事を後回し。
そして早く帰って勉強しましょう。

読書や英語の勉強など、仕事を効率化できる知識を身に着けるのです。
そうすることで業務が効率化でき、さらに早く帰れるようになります。

異文化コミュニケーションの一歩目は知ることから。
オススメの本を紹介してます。

【駐在員が推す】海外赴任に行く人にオススメの本 駐在員がガチで選んだ海外赴任に行く人にオススメの本8選

必要ないことは報告しない

余計な仕事を増やさないために、余計なことを報告しない。
これ、かなり重要です。なぜなら余計な仕事が増えるから。

思い付きでなんでもかんでも報告するのは厳禁。
特に現地のことを良く知らない日本への報告には要注意です。

・よくわからないから詳しく調べろ
・〇〇とか××は大丈夫か?やっとけ!

とか言われて、手を取られた上に何も得られないという結果に繋がります。

具体的に報告した方が良いこと|悪いことを例として挙げると

言わなくても大丈夫

・リカバリー可能なミス|遅延
・自分の裁量権で判断したこと

・社内的に注目されていない案件

言っといた方がいい

・本社がハンドリングすべき問題
・お金や人員を捻出して欲しい案件
・重大な迷惑をかける可能性があること

なんにしても重要なのは、報告の目的をよく考えること。

報告の先に、どのような可能性があるか?
よく考えてから報告するようにしましょう。

現地社員にやらせる|任せる

現地社員は責任感が無いから任せられない!
そうやってなんでも自分でやっていると、いつまでたっても残業が減りません。

仕事を依頼するだけではなく、優先度と納期を伝え、
やらなくてもいい仕事も合わせて指示しましょう。

かどいち

これだけでいいから今日やって貰えない?
他の仕事?いいよ明日で!

また、こちらの指示を何が何でもやらせようと”命令”するのもNG。

納得のいかない仕事をさせ続けると、相手はどんどん言う事を聞かなくなったり、指示待ち状態になったります。すると結局自分の負担が増えることに。

これをやりなさい!ではなく、あなたはどう思いますか?へとシフトした方が良いです。
相手の意見を尊重しつつ妥協点を探りながら、現地社員が主体的に活動できるよう心がけましょう。

まとめ|効率良く働いて充実した海外赴任を

今回の記事では、海外赴任中に残業時間が増える原因や、その対策をまとめました。

僕の一カ月の残業時間は、30時間~40時間程度。
赴任直後は60時間くらいの残業もしましたが、様々な工夫の結果、今では健全に働けているかなと思います。

実際に長時間労働してみて、やっぱり良くないなぁと思いました。

残業ばかりして自分の時間がなくなると

・パフォーマンスが下がって悪循環
・勉強や改善ができなくなる
・人生の幸福度が下がる

こんなことになってしまい、せっかくの海外赴任が辛いだけのものになってしまいます。
また、健康を害してしまっては元も子もありません。

時には残業してとことんやることも大事ですが、トータルのバランスを考えて、日々改善しながら毎日を過ごしたいですね。

今回の記事は以上です。ではまた!

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かどいち@山奥エンジニア

ドイツで海外駐在しながらブログを書いているエンジニア|シニアマネージャー。ドイツ情報|海外赴任情報|英語独学|マネジメント|データ見方や分析の仕方などを呟きます。物欲ないけど本とご飯には迷わず散財みたいな価値観。

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