上司が話を聞いてくれない!
切実な悩みですよね。分かります。
頭ごなしの否定と自分の主張ばかり…こちらの質問には答えてくれないし、本当に困りますよね。
僕はこれまで、日本|スイス|ドイツの3か国で働き、フランスやイタリア、トルコやスロバキアなどの人とも一緒に仕事をしてきましたが…
どの国にも話を聞かない人が一定数いて、そのたびに頭を悩ませてきたので、よくわかります。
そこで今回の記事では、上司が話を聞いてくれず困っている人に対して、話を聞いてもらう方法をまとめていこうと思います。
記事を読むことで
・話を聞かない上司の特徴や心理
・話を聞かない人への対処法
・話を聞いてもらうためにやるべき事
が分かります。
駐在員として、なんとか話を聞いてもらうため奮闘するなかで気付いたことを伝えたい。
上司に悩まされている人が少しでも楽になるような手助けをしたいと思っていますので、ぜひ読んでみてください。
それでは早速見ていきましょう!
目次
話を聞かない上司に共通して言えること
話を聞かない上司には、いくつか共通した特徴があります。
まずは、それらの特徴をまとめていきましょう。
マネジメントが苦手
マネージャーに求められることの一つが「部下が働きやすい環境を用意する」こと。
そしてこのためには「部下の話を聞く」ことが必須なのですが、これが出来ません。
なぜなら話を聞かない上司は、マネジメントが苦手だから。
というのも、
- 担当者としての”優秀”
- マネージャーとしての”優秀”
これらに必要な能力は同じではないから。
担当者としての実力を認められて、昇進したものの、課長・部長としての能力はまた別の話。
料理が上手だからといって、レストランを経営できるわけでは無いのと同じです。
能力以上の事をさせられている、実はちょっと可哀想な人なのかも。
理解力が低い
話を聞かない上司は、こちらの話を途中でさえぎってくるものです。
その背景にはどうやら「複雑なことが理解できない」という事があるようです。
職場の第一線で起こる問題はだいたい複雑です。
色んな要因が絡んでいたり、色んな人の想いが錯綜していたりします。
そういう説明の途中で
- お前の努力がたりないんだろ
- そんなのは○○しとけば良いんだよ
- 結局何が言いたいんだ
などと、頭ごなしに否定したりダメだししたり、全然一緒に考えてくれません。
何度キレそうになった事か。
承認欲求が強い
そもそも話を聞かない人の根本には
- 自分はすごい
- 自分は特別
- だから自分の話を聞くべき
みたいな、自己中心的な考えがあったりします。
これら「慢心」「優越」「マウント取り」といった心理は、ほとんどの場合
コントロール出来ていない承認欲求
からきているのです。
承認欲求が強い人は非常にメンドクサイ反面、コツを掴めばコントロールしやすい場合もあります。
上司の承認欲求がどのくらいか?気を付けて見てみると良いでしょう。
パワハラしがち
ここまで書いてきたように話を聞かない人は
- マネジメントが苦手
- 理解力は低い
- だけど自信は過剰
といった特徴があります。
そして、そういった人は自分の「苦手」や「能力不足」で自尊心をが傷つかないように
責任転嫁と攻撃
をめちゃめちゃしてくる訳です。
つまり、話を聞かない上司はパワハラしがちなのです。
パワハラの被害に会わないよう、注意しなければいけません。
タイプ別|話を聞かない上司の心理と対策
話を聞かない上司に共通の特徴はあります。
とはいえ一口に対策を講じることは難しいです。
なぜなら、上司が「話を聞かない理由」は様々だから。
そこで、話を聞かない上司をタイプ別に分類し、それぞれの心理や対処法をまとめて行こうと思います。
話を聞かない上司のタイプは
- せっかち型
- かまって型
- 傲慢型
この3種類。
実際には複数のタイプが複合している場合もありますが、基本的な対処法はタイプによって決まってきます。
タイプ別の特徴や心理を理解できれば、対処法が見えてくるはずです!
せっかち型|結局何が言いたいんだ!
3つのタイプの中で一番対応しやすいのがせっかち型。自分の伝え方である程度コントロール出来ます。
せっかち型の上司はとにかく結論を急ぎます。
問題の背景や詳細を説明しようとすると
結局何が言いたいんだ!?
と、最後まで聞いてくれません。
複雑な背景や問題が理解できない。だけどそれは自分のせいじゃない。
お前の説明が下手だからだ!
せっかち型の心理はこんな感じ。
せっかち型への対処法
このタイプに複雑な話をしても理解してもらえず、途中で話を聞いて貰えなくなります。
なので、話を聞いてもらうためのポイントは下記の3つ。
・単純化した結論を先に述べる
→○○が、××です。といった感じで、可能な限り内容を省いた結論を先に伝えます。
・全てを説明しない
→複雑な問題を説明してもどうせ理解出来ません。
背景や問題点は、本当に必要な要点のみ伝えましょう。
・出来るだけ情報を与えない
→報告しなくても問題にならない事は黙っておきましょう。
自分の持っている情報を「どのくらい削ぎ落として伝えるか」がポイントになります。
全て説明したってどうせ建設的なアイディアは貰えないのです。
最小限の情報で済ませましょう。
かまって型|自分の話を聞いてほしい!
非常に面倒だけれども、時間さえかければ何とかなるのがかまって型。
このタイプの目的は常に「自尊心を満たすこと」です。
かまって型の上司は、とにかく自分の話をしてきます。
こちらの質問への答えは無いのに、聞いてもいない武勇伝や成功体験ばかり….
しかも何を言いたいんだかよくわからない。
長い話を聞かされた上、結局どうすればいいのか分からないまま話が終わってしまいます。
このタイプの上司が興味を持っているのは
- 自分の話をすること
- 賛成|称賛してもらうこと
です。
話の要点が掴めないのは、こちらと目的が違うから。
残念ながらあなたが持って行った問題を、解決するつもりなど無いのです。
かまって型への対処法
このタイプは、良くも悪くも問題には興味が無いので、やりたいようにやらせてくれる可能性が高いです。
ただし、こちらのやり方に対しては承認を貰う必要があります。一応上司なんで。
そこで、対処する際のポイントは下記の3つです。
・ひたすら話を聞き、褒める
→まずは相手の承認欲求を満たしましょう。
そうすることで話のスタートラインに立てます。
・承認して欲しいことを明確にする
→上司が話し終わったスキに「自分がやりたいこと」を明確にしましょう。
満足した上司はそのまま話を終わらせがちです。タイミングをみはからって伝えましょう。
・必要な決済も忘れずにもらう
→上司の気分がいいうちに、権限が必要な決済も貰っておくと効率が良いです。
このタイプの上司は、承認欲求を満たしてあげることでお願い事は聞いてくれます。
(こちらの話を聞くわけでは無い)
時間はかかりますが、聞く|褒めるを繰り返し、上司が満足したタイミングで切り込めばOKです。
どちらかというと、イラッとする自分との闘いですね。
傲慢型|○○しとけば良いんだよ!
3つのタイプの中で一番やっかいなのが傲慢型。
傲慢型の上司は、能力が低いにも関わらず他人の意見を受け入れず、とにかく自分の意見を押し付けます。
話を最後まで聞かず、状況もちゃんと理解しないまま
○○しとけばいいんだよ!
と、的外れなアドバイスをしてきます。
話なんか聞かなくても分かってる(実際には分かってない)。
自分は凄い人間なんだから、俺の言う事を聞いておけばいいんだ!
傲慢型の心理はこんな感じ。
アドバイスして優位に立ち、自尊心を満たしたいんです。
傲慢型への対処法
このタイプはそもそも問題が複雑であることや、自分が理解できていないことに気づいて居ません。
意見が対立した時に、こちらの主張を通すのは難しいですが、対処する際のポイントは下記の3つです。
・ひとまず煽てる
→さすが!○○さんのアドバイスは他の人とは違いますね!自頭の良さがにじみ出ています!!
などと適当なことをいい、相手の自尊心を満たしましょう。
そうすることで議論のスタートラインに立てます。
・基本的には賛成の立場を取る
→真向から反対すると収集が付かなくなります。
「仰る通りです!あえて言うならば…」という感じで、微修正を繰り返しましょう。
・最悪言われた通りにやる
→修正が難しい場合、下手に意見を通すとこちらのリスクが増加してしまいます。
上手くいかないと分かっていても、言われた通りにやる方が波風立ちません。
また、このタイプの上司は、部下が指示通りやって失敗した場合に責任転嫁してくることが多いです。
なので、上司の指示に対して記録を残しておく事も重要。
そうすることで、組織内での責任の所在が明確になります。
メールなどで「ご指示の通り、○○を実行していきます」と記録を残しましょう。
話を聞いてもらうためには覚悟が必要
お気づきの方もいるかもしれませんがここまでの話、仕事が円滑に進むような「対処法」をまとめているだけです。
本質的に「話を聞いてもらう」方法については言及していません。
というのも、話を聞かない上司は基本的に面倒な人。
話を聞いてもらおうと思うと、あまりに多大な時間と労力が必要になるからです。
しかし、話を聞いてもらう”確率を高める”方法があるにはあります。
100%通用する訳ではないし、あまりオススメは出来ませんが、その方法についてまとめていこうと思います。
どのタイプも「面倒な人」
話を聞かない上司は
- 理解力が低く
- 承認欲求|自尊心が強く
- すぐに責任転嫁する
そんな、ちょっと人間性がアレな面倒な人。
こういう面倒な人との正しい付き合い方は「出来るだけ距離を置く」です。
話を聞いてもらう必要が無い状態が一番なのです。
でも、出来ることな良好な関係を築きたいという人もいるでしょう。
距離を置かずに話を聞いてもらおうと思った場合
相手の価値観に歩み寄り、信頼関係を築く
ということが必要になってきます。
長い時間を掛ける必要がある
信頼関係を築くためには、相手にとっての「良い人」として立ち回る必要があります。
つまり、
- 上司が満足するまで自慢話に付き合う
- イラッとしながらもそれを褒める
- 上司の価値観に共感(したフリ)をする
みたいなことを、何カ月・何年とやる必要があります。
これには、非常に長い時間と労力が必要。
上司に媚を売る自分の事が嫌いになるかもしれません。
「話を聞かない人に話を聞いてもらう」
そのためには、覚悟が必要なのです。
自分の人生を大切にしよう
では、相手に話を聞いてもらうことが、それほど価値あることなのでしょうか?
あなたのやりたいことが
- 今の会社でなければ出来ない
- 今の上司とでなければ出来ない
というのであれば、努力する価値はあるでしょう。
ただ、大半の人は違うのでは?
一度自分の価値観を見つめなおしてみましょう。
人生の目標を決めたら全ての悩みが解決した【決め方と具体例も紹介】
逃げ道も用意しておく
話を聞かない上司がいる場合、職場環境は悪化していきます。
上司のマネジメント能力や理解力も低いので、問題も頻発するでしょう。
ムリをして心をすり減らした結果メンタル不調に…とならないよう、逃げ道も用意しておきましょう。
そうすることで、社内での振る舞いにも余裕ができ、職場環境が改善する可能性も高まるでしょう。
具体的には、最悪仕事を辞めたとしてどんな選択肢があるのか?確かめてみることをオススメします。
職場環境を改善するために努力を惜しまない。そんなあなたを欲しがる会社はたくさんあるはずです。
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転職エージェントってたくさんありすぎてわからん!って人は、こちらの記事が参考になると思います。
シニアマネージャーが教える!あなたに最適な転職エージェントの選び方と上手な使い方の全知識
まとめ|タイプによって柔軟に対応しよう
今回は、話を聞かない上司の特徴や、タイプ別の対処法についてまとめてきました。
上司のタイプは3種類。それぞれの対処法は
・せっかち型
→単純化した結論から伝える
・かまって型
→相手の話を聞きいて褒めながらタイミングを見計らう
・傲慢型
→ヨイショしながら少しずつ相手の意見を修正する
と言った感じです。
とはいえ、本質的に話を聞いてもらうためには、多大な時間と労力が必要。
自分の価値観や目的と照らし合わせて考えながら、どのように対処するか考えましょう。
自分の幸福度を高めるのが最優先です。上司に振り回されないように日々を過ごしたいですね!
下記の記事では、厄介な上司の攻略法をタイプ別にまとめています。参考になるかもしれませんので、よかったら覗いてみてください。
嫌いすぎる上司!6つのタイプ別攻略法と振り回されないためのコツを一挙解説する。
今回の記事は以上です。
それでは、また。
かどいち@山奥エンジニア
32歳でドイツに海外赴任し、シニアマネージャーとして様々な国で働く。治安の悪い田舎→工業大学→JTC→海外駐在の経験を経て、ヤンキーからオタク、高学歴から外国人までの幅広い対人経験を元に、人の心の動きについての考察を発信中。