1.赴任先の会社で利益が出ているか
2.赴任先の駐在員の名簿と性格
3.赴任地の居住環境
かどいち
今回の記事はこんな人に向けて、海外赴任を決める判断基準や、事前に調べておくべき事をまとめていきます。
かどいちと言います。ドイツで海外駐在員として働いています。
企業のグローバル化が進む現在、
・将来海外赴任あるかもよと言われている
・今まさに海外赴任を打診されている
こんな人、増えてるんじゃないでしょうか?
しかし、海外赴任の経験がない人にとっては不安が大きいと思います。
そもそも海外赴任と一口にいっても、行先や仕事内容は多種多様。
とりあえず行ってみる!って人もいるかもしれませんが、正直ビビってる!って人も多いかなと思います。
そこで今回の記事では、海外赴任で後悔しないよう、
・海外赴任を決める前に調べておくき事
・こんな所に行くと後悔するかも!危険な赴任先の特徴
などについてまとめていきます。
僕の実体験を交えながら書きますので、結構リアリティのある内容になっていると思います。
行く/断るの判断をする助けになると思いますので、ぜひ読んでみてください!
目次
【即答するな】海外赴任の打診を受けたら
まず、海外赴任の内示が出るまでの流れを簡単に解説し、その際の注意点をまとめていきます。
一言で結論をいうと「打診を受けてもすぐには決めるな」ということです。
どう言うことなのか、詳しく説明していきます!
内示の流れ
初めに、海外赴任について内示が出るまでの流れを簡単に書こうと思います。
海外赴任の打診は唐突に訪れます。
直属の上司から声がかかって、
上司
かどいち
上司
みたいな会話のやりとりの後部長のところに行きます。優しい上司ならこの時に赴任先を教えてくれることもあるかも。
で、部長のところに行くと、打診があります。
部長
そんで、合意が取れたら内示となります。
かどいち
…後で書きますが、この時絶対に即答してはいけません。これはダメな例。気を付けましょう。
内示が出たら、だいたい3か月後くらいに渡航です。
渡航までの間は、色々準備したり英語の勉強したりします。
⇒【海外赴任スケジュール】準備とやることリスト 失敗談と注意点も解説!
内示の時にやりがちなミス
ここで、やってはいけないけれどもやりがちなミス。それが「即答で内示を受ける」です。
いやね、指示を受ければごちゃごちゃ言わずにやる。確かにそれはカッコいいし、理想的なサラリーマンなんです。
でもね、海外赴任は人生を大きく左右する選択です。即答しちゃダメ!絶対。
特に、会社や上司によっては打診兼いきなり内示というパターンもありますので注意が必要です。
部長
かどいち
ちなみに僕はこのパターンで、さらに即答してしまいました。
大丈夫、強い心を持てば断れます。
赴任先を聞きつつ、「家族と相談の上決定したいので、回答を〇日待ってもらえませんか?」などと言って一旦持ち帰りましょう。
そして、赴任先の情報を徹底的に調べるのです。後悔しないために。
必ず事前調査をするべし
一度海外赴任してしまうと、どんなに辛くても簡単には帰れません。普通は3~5年くらい赴任先の国/会社で過ごすことになります。
つまり、赴任先でハイパーパワハラを受けたり、長時間労働を強いられたりしても簡単には帰れないのです。健康崩壊まっしぐらです。
ちなみに、日本の環境よりも海外の環境の方がブラック寄りになることが多いです。
なので、職場環境・業務内容・人間関係など、リスクとなりそうなことはできるだけ確認してから判断することをお勧めします。
と言っても、何をどう調べればいいかわからん!って方も多いと思いますので
ここからは事前に調査しておくべき事について、具体的にまとめて行こうと思います。
後悔しないように調べておくべき事
結論から言うと、下記の3点だけは絶対に調べておくべきです。
・赴任先の会社の利益
・赴任先の駐在員の性格
・赴任地の居住環境
そして、これらについて。ヤバそうな雰囲気を感じたら迷わず断るべきでしょう。
どれも本当に大切なポイントなのですが、これだけ見てもなかなかイメージがわかないと思うので、
詳しいチェックチェックポイントを解説していきます!
赴任先の会社の利益状況
真っ先に確認するべきなのは会社の利益状況。つまり儲かってるかどうか?ってことです。
これが最も大切です。なぜなら、会社の損益状況はあらゆる職場環境に影響するからです。
普通、海外の拠点ごとに損益計算書(P/Lシート)が発行されているはずですので、できるだけ長い期間で入手し、必ず目を通してください。
それでは、具体的にチェックポイントを確認していきましょう!
損益…よくわからん!って人にもわかりやすいように、見るべきポイントも合わせて解説していきますね!
黒字かどうか?
まず確認するべきは「その拠点が黒字かどうか?」です。
黒字、つまり利益が出ていれば少々細かいことは言われませんし、休暇も取りやすいものですが、
会社が赤字だと仕事でも厳しく言われますし、人間関係までギスギスしてくるものです。
僕の赴任先は毎月ひどい赤字だったので
カンパニーカーがなかなか支給されなかったり、休みを取ると文句を言われたり、結構イヤな思いもしました。
あとは、本社との経営会議前には連日深夜まで資料作成とかありましたね。
その時期にはみんな疲れてるので人間関係もギスギスしてきて、やっぱり利益って大事なんだなぁと実感したものです。
で、そんな思いをしないように、具体的に確認すべきなのは
P/Lシート上の「営業利益」になります。
ここがプラスならばまずは第1関門クリアです。この項目の数字に△や▲がついてたら赤字なんで注意が必要です。
あとは「営業利益率」も確認しておくのが無難でしょう
とりあえず5%以上あれば安心ですが、それより低くても安定していれば問題ありません。
【黒字の場合】利益の推移はどうなっているか?
次に確認すべきなのは「利益の推移」です。
できるだけ長い期間の損益計算書を確認し、利益が増えているか?減っているか?を確認してください。
横ばいならばまぁヨシ。減少しているならば理由を確認するべきです。
例えば「コロナの影響」みたいな一時的なものであればいいですが、
そもそも事業が衰退しつつあるとかであればちょっと考えた方がいいでしょう。
なぜなら、伸びる産業と衰退する産業では、駐在員としての結果の出やすさが全然違うからです。
ぶっちゃけ、伸びる業界の中では、何もしなくても結果は出ます。
一方、衰退する産業ではどんなに頑張っても目標に到達しなかったりします。
僕は海外赴任中、売上比7%くらいの原価改善をしましたが(結構すごいんですよ、これ)
目標が売上比30%削減!(狂気の沙汰)とかだったので、全然届きませんでした。
赤字も怒られますが、利益が減るのも結構怒られます。意外と盲点なので注意してください。
赤字の場合はこれから利益が出そうか?
例えば事業所が赤字だったとしても、理由によってはOKな場合もあります。
例えば新しい工場を立てて、これから売り上げが伸びていく場合等です。
基本的に事業のスタート時は赤字ですから。
むしろ、この場合は逆にチャンスとなるかもしれません。
仕事は忙しいかもしれませんが、やりがいは大きいと思いますし、結果も出やすいでしょう。
バリバリ働きたい!という人はぜひ行くべきですね。
赤字かつ回復の見込みが無ければ辞退。
と、これらの項目をざっとチェックして、赤字かつ回復の見込みがなかったり利益がどんどん減少している場合、
海外赴任を断ることも考えた方が良いかもしれません。
赤字や衰退傾向にある会社にいると、日本の本社から非常に強いプレッシャーがかかります。
また、お金がないと人の心は荒んでいくものです。
駐在員の環境としては、なかなかに厳しい状況が待っているでしょう。
会社の危機を救いたい!みたいな志の高い人にとってはやりがいになるかもしれませんが、
メンタルの強さに自信がない場合は辞退を考えた方がいいかもしれません。
赴任先の駐在員の性格
利益と同じくらい大切なのが職場の人間関係です。
できるだけリスクを軽減するために、赴任先のメンバーの情報を、できるだけ入手しておきましょう。
人間関係が重要とか当たり前じゃん!と思われるかもしれませんが、僕はこの部分をあえて強調したい。
なぜなら海外赴任では、人間関係の重要性が格段に違うからです。
詳しく説明していきます!
海外赴任中は閉じられた環境
海外赴任では、人間関係の重要性が格段に増す理由。
それは「閉じられた環境だから」です。
海外駐在中、一緒に働く駐在員はせいぜい多くて10人程度。
日本で働くときよりも関わる相手が限定されるので、必然的に関係性は密接になっていきます。
そのような中、チームの中に拗れた性格の人がいると
あらゆるトラブルの起点となったり、労働環境をどんどん悪化させたりするので非常に面倒です。
これが、海外赴任中の人間関係に特に気を付けなければならない理由です。
駐在員 “全員” の名簿入手するべし
では、人間関係のトラブルを防ぐために調べておくべきことは何?って話ですが、
まず、赴任先の駐在員全員の名簿を入手してください。
いいですか、必ず全員です。
何故全員分必要なのか?
理由は、同じ拠点の駐在員とは全員と関わりを持たなければいけないからです。
日本で働く時のように「できるだけ近づかない」が成り立ちません。
そして、1人でもぶっちぎってヤバいやつがいると、それだけで自分の仕事/生活をめちゃめちゃにされる可能性があるからです。
例えは、違う部署なのに仕事に口を出されて、言う事を聞かなかったら怒鳴られたり、
早く帰ったり休んだりしたら「サボっている」と文句を言われたり
パワハラを受ける確率が格段に上がってしまいます。
拗れたやつが、赤字の会社にいるともう地獄です。
実はこれ、僕の体験談です。たった一人が起点となってあらゆるトラブルが発生していました。
なので確信を持って言えます。この現象は再現すると。
必ず一緒に働くメンバー全員について調べるようにしましょう。
一人でも<ヤバい奴>がいたら辞退。
名簿を手に入れたら、全員の性格をヒヤリングしましょう。能力や経歴とかこの際どうでもいいです。性格のみが重要です。
そして、ヤバそうなやつがその中にいないか?できる限り情報を収集してください。
⇒ヤバい奴の見分け方はこちら

一人でもヤバいのがいたら、特にヤバいのが影響力のあるポジションにいたら、
ちょっと辞退を考えた方がいいかもしれません。
僕の赴任先はほとんどいい人でしたが、1人だけぶっちぎりでヤバいヤツがいました。
そしてソイツが起点となって無数のトラブルが発生していきましたし、僕に対しても少なからずパワハラしてきました。
僕はこの体験から、閉じられた密接なチームの中では、1人の影響度が非常に強いことを思い知りました。
ある意味いい経験になりましたが、この記事を読んでくれている人には同じ思いをしてほしくない。
駐在員メンバーの事前調査、強くオススメいたします。
赴任地の居住環境
最後に重要なのは「赴任地(居住地)の環境」です。
人によってはこれも非常に重要な要因になります。プライベートでストレスなく生活できるか?って結構重要です。
具体的には
・治安はいいか?
・英語は通じるか?
・日本食は手に入るか?
この三つを調べておけばいいでしょう。
それこそ今駐在しているメンバーに聞くのがいいかなと思います。
子供がいる場合、日本人学校はあるか?とか、通訳付きの病院はあるか?等も気になるポイントかと思いますが、これに関しては長くなるので別記事で書こうと思います。
ただ、居住環境はよほど悪くない限り、海外赴任を後悔するほどの要因にはならないかなと思います。
住めば都って言いますしね。戦地とかなら話は別ですが。
ヤバい!と感じたら
ここまで書いた切り口で事前調査を進めると、赴任先がだいたいどんな感じか見えてくるのではないかと思います。
そして、正直ヤバいかも!と言う人も一定数いるかと思います。
では、ヤバいと思ったらどうしたらいいの?って話ですよね。
具体的な対応策をまとめていきます!
無理だと思ったら迷わず断ろう
ヤバい!無理!と思ったら、答えは一つ。迷わず断りましょう。
一度海外赴任してしまうと、しばらく日本には帰れません。
でも、上司に嫌われるかも、、、
って人、海外でパワハラ受けて逃げ場のない中体を壊すよりよっぽどマシです。
でも、次のチャンスが巡ってこないかも、、、
って人、手っ取り早く海外赴任したいなら転職した方がいいです。

断りづらくても断るのです。
ここで断れない人が赴任後に後悔しても、「帰りたい」なんて言えるわけありません。
上手な海外赴任の断り方
とはいえ断りにくいよ、、、という人のために、オススメの方法があります。
それは「家庭の事情で行きたいけど無理」という体で断ることです。
例えば
・父の体調が悪く、いつ悪化するかわからない
・妻の両親の体調が悪く、家族で日本を離れられない
みたいなかんじですかね。
自分のせいではないんだけど、、、という感じをアピールしつつ断ることで、上司との関係をこじらせることなく断ることができます。
次のチャンスが欲しければ、ほとぼりが冷めたころに「両親の体調が回復してきた」と伝えれば良いのです。
後悔するかどうかは行く前に半分決まる
「充実した海外赴任にできるかは自分次第」みたいなことを上司は言ってくると思います。僕も言われました。
確かに、現地社員との人間関係や、自分の仕事のやりがいに関しては自分次第だと思います。
しかし、会社の複雑な構造を1社員が、特に初めて海外赴任するような若手~中堅社員が変えるのは至難の業です。
自分でコントロールできない外的要因は事前にしっかりと確認し、海外赴任で後悔しないようにしたいですね!
今回の記事は以上になります。それでは、また。